2015-11-25

MOUFANG / CZAMANSKI: Live in Seattle




Move DとJordash、モダンディープハウス/テクノの新旧両雄が激突したまさかのライヴ・アルバムが米Furthur Recordsから!


ワープやコンポスト、プラグ・リサーチ、ランニング・バックなど、世界中の著名/先鋭レーベルから作品を出しているドイツの奇才MOVE D(MOUFANG)と、好事家たちを熱狂させるオランダの名物フェス/レーベル「Dekmantel」からのリリースでおなじみのJordan Czamanski(Juju & Jordash)がジョイントして一夜限りの貴重なコラボ・パフォーマンスを披露、その模様を、ハイエログリフィック・ビーイング、エコープレックス、アイビーからコンラッド・シュニッツラーまでを手掛ける米シアトルの前衛レーベルFurther Recordsがパッケージ化したスペシャル企画が登場!




MOUFANG / CZAMANSKI: Live in Seattle
Furthur Records / Wordandsound


◆ クラブ系情報サイト「Resident Advisor」の人気DJランキングの常連で、90年代初頭からのキャリアを持つドイツのベテランMove Dは、ワープ、コンポスト、プラグ・リサーチ、ランニング・バックやモダン・ラヴなど、世界中の名門レーベルを通じてコンスタントに途切れることなくフロア・ヒットを放ち続け、幾度となく来日も果たし日本でも確固たるファンベースを築き上げているモダンディープハウスの雄。


◆ オランダのプロデューサーJordan CzamanskiはJuju & JordashとしてDekmantelやゴルフ・チャンネル、ラッシュアワーからも作品をリリースしている。昨年のアルバム『Clean-Cut』はデトロイトやシカゴを最もモダンかつロウなスタイルでアップデートした傑作としてクラブ系のみならずロック・メディアも含めて世界中で絶賛された。


◆ Magic Mountain High名義でもかねてからコラボ、ギアや機材を駆使したアナログなライヴ・エレクトロニック音楽の可能性を追及していたふたりが、シアトルのクラブ「1927 events」でステージを共にし、クラブ・ミュージック的なビート・フォーマットを基調としながらもダンスフロアを逸脱したイマジネーション豊かなライヴセットを披露、その模様を『Live in Seattle』としてFurther Recordsからリリース。


◆ モリコーネを思わせるシネマティックなムード、ララージ的なアンビエンス、ドローン、シカゴアシッド、サイケデリックな音のトバシやデトロイト・マナーのシンセの味付けなどなど、様々なスタイルをきめ細かに編み上げながら、50分ワンセットX2本、前人未到のエレクトロニックな音の桃源郷へとリスナーを誘い出す!


◆ マスタリングはラシャド・ベッカー@ダブプレート&マスタリング。



2015-11-18

PHARAON De WINTER: Pharaon de Winter




まるでセバスチャン・テリエがスティーリー・ダンをカバーしたかのような…ノスタルジックなムード、メロウなメロディーとメランコリックなフランス語詞にのせて飛び切りのポップ・ソングを披露するフレンチ・インディ・ポップ新人PHARAON De WINTERが仏Because Musicからデビュー。





PHARAON De WINTER: Pharaon de Winter
Because Music / Vietnam Records

1 TOCSIN
2 VUE SUR LE CAIRE
3 ULTRAMARINE
4 DISTANT TREES
5 LE FUTUR
6 TON CŒUR
7 POINTILLISME
8 LES YEUX
9 PADDY
10 PHARAON DEWINTER




◆ Toy Fightや(Please) Don’t Blame Mexicoなどのメンバーだったフランスのシンガー/ソングライター、マキシム・シャムによるニュー・バンド、PHARAON De WINTERのデビュー・アルバムがフランスの名門インディ・レーベルBecause Music(傘下のVietnam Records)からリリース。


◆ スティーリー・ダンやプリファブ・ストラウトを思わせるエバーグリーンなポップ感覚、(スペインの)エレファント・レーベルあたりにも通じるフレッシュネス、セバスチャン・テリエやエール、フェニックスから脈々と受け継がれてきたフレンチ・インディのメロウ・ムードをあわせもった期待のニューカマー!


◆ チープなリズムボックスの寂しげなビートに切ないギターと柔らかなエレピがのったM①「TOCSIN」のオープニングを聞いただけでいきなり期待値マックス!からのスイングするM②「VUE SUR LE CAIRE」を経て16ビートで緩やかに駆け出すM③「ULTRAMARINE」と、アタマ3曲からまずはイイ感じ。


◆ ストリングス入りのノスタルジックなスロウM⑥「TON CŒUR」、シングル曲M⑦「POINTILLISME」、レゲエ風のM⑨「PADDY」、エンディングを飾るセンチメンタルなアップ・ナンバーM⑩「PHARAON DEWINTER」まで、珠玉のキラーを満載した傑作アルバム。


◆ メロディアスなインディーポップにフランス語詞がベスト・マッチ!どこか懐かしさを感じさせつつもDIYマナーのチープなシンセの味付けもフレッシュで、所々にソウルフルな揺らぎも感じられ、これは聞き込むほどにクセになります!





2015-11-11

Donato Dozzy: The Loud Silence




まさかの全部マウス!


アシッド、ミニマル、ダブテクノからアンビエントまで、エレクトロニックでありながらダンスフロアに留まらないフリーフォームな活動を展開し世界中の音好きたちを熱狂させるイタリアの奇才ドナート・ドジーがマウスハープ/口琴を大大フィーチャーしたレフトフィールドな口琴トロニカ傑作アルバムを完成させた。


エイフェックス・ツイン「Digeridoo」をノンビートかつメディテーティヴにモダン・アップデートしたかのような、静謐ながらも圧倒的にラウドな存在感を放つ、聞き込むほどにドツボにハマる会心の一枚。

















ドナート・ドジー/ザ・ラウド・サイレンス

Donato Dozzy: The Loud Silence
Further Records / ritmo calentito (RTMCD-1165)


1. Personal Rock (5:03)
2. Cross Panorama (4:10)
3. The Loud Silence (4:09)
4. The Net (4:34)
5. For Arnaud (3:58)
6. Downhill to the Sea (6:08)
7. Concert for Sails (3:44)
8. Exit The Acropolis (6:04)


◆ パノラマバーでのレジデント、野外フェス「ラビリンス」での度重なる来日、「アシッド・テスト」シリーズへの参加、フランソワK「ディープ・スペース」へのフックアップ、ヴォイシズ・フロム・ザ・レイクとしてのEditions MegoやPrologueからのリリースなどなど、テクノを軸としながらもクラブ・ミュージックのフィールドを越えた幅広い活動を展開し人気を博しているイタリアの個性派エレクトロニック・プロデューサー、ドナート・ドジー。


◆ その待望の最新アルバムは、彼が子供のころから自宅に眠っていたというマウスハープ(口琴、アジアに広く伝わる笛の一種で、口腔内で倍音を発生させ音を鳴らすもの)を全面的にフィーチャーしたメディテーティヴでトランシーな口琴アンビエント作品に。


◆ どこかディジリドゥーを思わせる、そう、まるであのエイフェックス・ツイン初期の名曲「Digeridoo」をノンビートでモダンアップデートしたかのような、突出した音色を持つカテゴライズ不能な実験的なエレクトロニック曲を満載。


◆ 2010年に本作発売元でもある米シアトルのFurther Recordsからリリースしたドナート・ドジー名義でのデビュー・アルバム『K』は世界中の音好きたちを熱狂させ、彼の名声をミニマルなダンスフロアの外へと押し広げたが、本作は、その衝撃をはるかに上回る、多くのファンの期待にバッチリ応えた入魂の一枚。


◆ 口琴を駆使しながらフィールドレコーディングを巧みに織り込み全くユニークな電子の仕掛けをほどこした、アルバム・タイトルに偽りなし、まさに静謐ながらも圧倒的にラウドな存在感を放つ、呪術的で中毒性の極めて高い、聞き込むほどにドツボにハマるこのサウンド!


◆ ハイエログリフィック・ビーイング、エコープレックス、アイビーからコンラッド・シュニッツラーまでを手掛ける米シアトルの前衛レーベルFurther Records。ダンスフロアと実験室のどちらにも片足を突っ込んだいかにもこのレーベルらしい、KrankyやEditions Megoなどのレーベルを追いかけているファンに是非チェックしてほしいアルバムです。






2016.1.6追記

来日あります。
代官山unitでPeter Van Hoesenとジョイント!
「Mindgames Presents One」いよいよ今週末です。お見逃しなく!

http://www.unit-tokyo.com/schedule/2016/01/09/160109_mindgames_presents_one.php










2015-11-10

TEENAGE JESUS & THE JERKS: Live 1977 - 1979




ジェームス・チャンスと並ぶニューヨーク・ノーウェイヴの伝説、リディア・ランチの初期バンド=ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークスの貴重なライヴ音源を満載したスペシャル企画がニコラス・ジャー主宰「Other People」から登場。


70年代後半のパンクからニューウェイヴへの過渡期、まさに『NO NEW YORK』前後のあの時代に、CBGBやマックス・カンザス・シティで夜な夜な初期衝動のままに噛み付きまくっていた女帝のアツ過ぎるリアル・パフォーマンスを余すところなく銀盤へと封じ込めたファン待望の一枚。


ジェームス・チャンスやフリクションのレック氏が参加していた最初期音源もピックアップ!



ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークス/ライヴ 1977 - 1979

TEENAGE JESUS & THE JERKS: Live 1977 - 1979
Other People / ritmo calentito (RTMCD-1166)

1. Less of Me
2. My Eyes
3. Popularity Is So Boring
4. Orphans
5. Eliminate By Night
6. Freud In Flop
7. Burning Rubber
8. I Woke Up Dreaming
9. Crown Of Thorns
10. Baby Doll
11. Race Mixing
12. Don’t Talk About Love
13. No Morality
14. Instrumental
15. Baby Doll
16. Freud In Flop
17. Race Mixing
18. Crown Of Thorns
19. Red Alert
20. The Closet
21. Instrumental
22. Freud In Flop
23. Burning Rubber
24. Red Alert
25. Orphans
26. Eliminate By Night
27. The Closet


M12 ~ 13 ジェームス・チャンス、レック参加
M1 ~ 5 ゴードンスティーヴンソン参加
M6 ~ 11、M14 ~ 27 ジム・スクラヴノス参加


◆ リディア・ランチがキャリア最初期にジェームス・チャンスやフリクションのレック、ブラッドリー・フィールドと共にスタートさせ、レックの抜けたあとはニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズのジム・スクラヴノスやアート・リンゼイ率いるDNAのゴードン・スティーヴンソンも名を連ねた、コントーションズと双璧をなすニューヨーク・ノーウィヴの最重要バンド、 ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークス。


◆ 78年にブライアン・イーノがプロデュースを手掛けたコンピレーション『NO NEW YORK』に(ジェームス・チャンスの)コントーションズやDNA、マーズと共に参加するも、ZEレーベルにたった一枚のシングルを残しただけで解散、数々の逸話と共に語り継がれるオブスキュアな存在となった伝説のグループ、その貴重なライヴ音源を網羅したコレクションが、「ダークサイド」でも人気を博したニューヨークのミュージシャン、ニコラス・ジャーが主宰するレーベル「Other People」から登場。


◆ リディアの現行バンドのひとつであるレトロヴィールス(Retrovirus)のメンバーで、ジム・オルークやサン・ラーとの共演でも知られるエクスペリメンタル・ミュージシャンのWeasel Walterが選曲とリマスターを担当し、『NO NEW YORK』収録楽曲(Burning Rubber、Closet、Red Alert、I Woke Up Dreaming)やZEのシングル曲(Less Of Me、My Eyes)をはじめとしたバンドの代表曲をあまねくピックアップ。


◆ リディア関連の音源はこれまで『Hysterie』や『Everything』、『Shut Up & Bleed』などの編集盤にまとめられてきたが、 ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークスという彼女の初期プロジェクトのみに焦点を当てその音源を網羅的にカバーしたオフィシャルなリリースはレア。本作の出来にはリディア本人も満足で「これが決定盤になるだろう」としている。


◆ 70年代後半のパンクからニューウェイヴへの過渡期、まさに『NO NEW YORK』前後のあの時代に、CBGBやマックス・カンザス・シティで夜な夜な初期衝動のままに噛み付きまくっていた女帝のアツ過ぎるリアル・パフォーマンスを余すところなく満載。


◆ ソニック・ユースからブラック・ダイスに至るまで、その後のオルタナ・シーンへの影響も絶大なニューヨーク・ノーウェイヴ、その中核アーティストの貴重な初期パフォーマンスを堪能できる決定盤!


◆ スワンズ、ソニック・ユース、スーサイド、グレン・ブランカ、アーサー・ラッセル、アイク・ヤード、ビル・ラズウェル、ライアーズ、ブラック・ダイス、ヤー・ヤー・ヤーズなどのファンは是非!


◆ Weasel Walterによる英文解説の対訳付。






2015-11-06

AUNTIE FLO: Theory Of Flo




HUNTLEYS + PALMERS(ハントレーズ&パーマーズ)のボス、オーンティー・フローのアルバム『Theory Of Flo』が完成。2012年の『Future Rhythm Machine』に続く2枚目のフルレングス。


南アフリカ出身のプロデューサー、イーサ(Esa)を共同プロデューサーに立て(ふたりはH+Pのサブ・レーベル「Highlife」のシリーズでも共作してますね)、キューバのハバナやロンドン、地元のグラスゴーでレコーディング、完成までに2年の歳月を費やしたそうです。


シングル曲の「So In Love」と「Waiting For A (Woman)」を含む全10曲。


コンテンポラリーなエレクトロニック・ミュージックと世界音楽をうまい具合にイマっぽく同居させたいいムードの楽曲ばかりで、部屋聴きでもとても心地よいです。もちろんフロア映えもバッチリ。





Tracklist

01. Su La feat. Anubley & Richard Thair
02. Cape Malay Prayer
03. So In Love feat. Shingai & Richard Thair
04. Dreamer
05. Waiting for A f feat. Anbuley
06. Dance Ritual I feat. Anbuley
07. Dance Ritual II feat. Anbuley
08. Hewal3 feat. Anbuley
09. Mandla in Space feat. Anbuley
10. For Mihaly feat. Poppy Ackroyd & Richard Thair


 




CERRONE再発




ナイル・ロジャースにも絶大な影響を及ぼし、ランDMCやビースティー・ボーイズがサンプリングしたことでも知られ、ラリー・レヴァン、ダニー・クリヴィット、ロン・ハーディーらもこよなく愛したフレンチ・ディスコの始祖セローンのカタログが仏名門ビコーズ・ミュージックから一挙再発されます。


ダフトパンクがまさかのディスコ回帰を果たし、ジョルジオ・モロダーが復活し、映画『エデン』が公開となり、いよいよここで真打の登場、という感じでしょうか。


ディミトリ・フロム・パリやボブ・サンクラー、ジャスティスもこの人なくしては存在しなかった!?トッド・テリエによるリエディットでもおなじみの「Hooked On You」や、ラ・ルーやゴシップもカバーした「Supernature」をはじめ、フランスが生んだ至高のディスコ・プロデューサーによる珠玉のガラージ/ダンス・クラシックスの数々がオリジナル・アルバムで鮮やかによみがえります。


今回再発されるのは次の5枚です。


"Love In C Minor (Cerrone I)" (BEC5161903)
"Cerrone's Paradise" (BEC5161905)
"Supernature (Cerrone III)" (BEC5161907)
"Cerrone IV - The Golden Touch" (BEC5156083)
"Cerrone VII - You Are The One" (BEC5156084)


発売元は全てフランスのBecause Music、ボーナストラック無し、オリジナル盤どおりの曲目曲順でのストレート・リイシューになります。







1st "Love In C Minor (Cerrone I)" (Because Music / BEC5161903)




フレンチタッチ・ムーヴメントにも大きな影響を及ぼし、70年代後半のディスコ全盛期にジョルジオ・モロダーと並ぶヨーロッパの二大巨頭に君臨したフランスのプロデューサー、セローン、その記念すべき1976年発売のデビュー・アルバム。


表題曲「Love In C Minor」は、ダニー・クリヴィットのエディットやディミトリ・フロム・パリによるリミックスがこの春フロアを席巻したのも記憶に新しい。かつてアヴァランチズも名作『Since I Left You』で大々的にサンプリング。多くのクラブ系プロデューサーやDJ諸氏がいまだ使い倒しているクラシックス。


ジョニー・アリデイによるロックンロール・カバーでもおなじみの「Black Is Black」はオリジナルのワイルドなロック・モードを劇的改変、コースアウト必至の疾走感を持った「Love In C Minor」にも負けない強力なディスコ・ボムに仕立て上げられている。


高揚感のあるストリングスとホーンの装飾、煌びやかなシンセサイザー、メロウでセクシーなサックス・ソロ、ストロングなキックとこぎみよいパーカッション、そのすべてが恐ろしいほどにパーフェクト。全曲炎上確実、オリジナル発売から40年を経ていまなお多くのDJに愛され続ける真のクラシックス。








2nd "Cerrone's Paradise" (Because Music / BEC5161905)




かつて多くのハウスDJをジャケ買いに走らせたいかにもおフランスな77年発売セカンド・アルバム。アメリカ盤は別ジャケ差し替えでしたが、もちろん今回はオリジナル・ジャケを使用しての再発。


タイトル曲「Cerrone's Paradise」はジョーイ・ネグロがリミックスして2000年代にリバイバル・ヒットした。揺らぐエレピと歪むギター、鉄板のストリングス&ホーン・アレンジ、圧倒的なドライヴ感をもった強力なリズム隊、またまた全てがパーフェクト。まさに「アート・オヴ・ディスコ」としか形容しようのない芸術的なダンス・グルーヴを創り上げている。


BPM120ちょい手前、寸止めジワジワで抑制をきかせながらも確実にフロアをピークへと導く「Take Me」、メロウな微熱エレピに骨までとろける絶品スロウ・ナンバー「Time for Love」も悶絶。アップだけでなく全方位対応なセローンのプロダクション・スキルをまざまざと見せつけた入魂の一枚。







3rd "Supernature (Cerrone III)" (Because Music / BEC5161907)




1977年発売の第三作『Supernature』は世界中でミリオン・セールスを記録、セローンの名前、そしてディスコ・ミュージックのプロダクションを全世界へと知らしめた全音楽ファン必聴の大名盤。


USダンスチャート1位、UKシングルチャートでも8位を記録したタイトル曲の「Supernature」はかつてはイレイジャー、最近ではエレクトロポップの歌姫ラ・ルーもカバーし、2015年にはアメリカのインディ・ダンス・バンド、ゴシップのベス・ディットーのボーカルをフィーチャーしたセルフカバーも登場。古典的なストリングスは影を潜め、シンセサイザーを全面に打ち出したフューチャリスティックなアレンジで、ドナ・サマー「I Feel Love」(こちらも77年)と共にディスコのひな型を作り上げた。


飛び道具的なドラム・インスト「Sweet Drums」や放火魔アーソニスツもサンプリングしたコズミックな「in The Smoke」あたりの変化具合も絶妙。ボブ・サンクラーやフランキー・ナックルズがリミックスした王道ディスコの「Give Me Love」や「Love Is The Answer」のリズムも「Supernature」に負けず劣らずストロング。突出したダンス曲の合間に玄人ウケするイタロ/コズミック的なアンダーグラウンド・マナーをコッソリ忍ばせた、単曲だけであくアルバム・トータルで楽しむことのできる作品。






4th "Cerrone IV - The Golden Touch" (Because Music / BEC5156083)





『Supernature』のヒットを受け翌78年にリリースされた第四作。


「Look For Love」はダフトパンクのギ=マニュエルによる別働ハウス部隊「ル・ナイト・クラブ」もサンプリング、後にそれを追うようにボブ・サンクラー(いったいこの人はどれだけセローン好きなのか!)も「I Feel For You」で引用、ボブはこの曲のビッグ・ヒット(UKシングル・チャート9位)で世界的な名声を獲得した。


他にも、アーマッド・ヴァン・ヘルデンがリミックスした「Je suis Musique」、ビースティー・ボーイズやLLクールJも「抜いた」おなじみのBボーイ・クラシックス「Rocket In The Pocket」、DJハーヴィーもたびたびスピンしているメロウ・ボッサ・ディスコ「Music Of Life」などなど、これまた全曲スバラシイ!







7th "Cerrone VII - You Are The One" (Because Music / BEC5156084)





ジョセリン・ブラウンを全編でボーカルに迎えた1980年リリースの第七作。


オープニング・ナンバーの「Hooked On You」はトッド・テリエやコン(&アミール)のリエディットや、MURO氏の『SUPER DISCO BREAKS』収録でもおなじみ。


GRPからのリリースで知られるエディ・ダニエルズによるアーバン炸裂のサックス・ソロもデリシャスな「My Look」、ファンキーなギター・カッティングをまとったミラクル・ブギー「You Are The One」、ガラージ・クラシックスとしておなじみの「Cherry Tree」やいかにもこの時代らしいゴージャスなブラス使いの「Took Me So Long」まで、多幸感とエモーション、ソリッドなリズムが渦巻くキラー・チューンを満載した、ポップなディスコ・レコードの見本のような作品。








ハウス以降のビッグネームも皆さまこぞってリミックス!


↓↓ こちらはディミトル・フロム・パリ




↓↓ ジョーイ・ネグロ





↓↓ フランキー・ナックルズ





2015-11-05

2015-11-02

【余談】 HIEROGLYPHIC BEING: The Acid Documents




多作な割には今もってオブスキュアでミステリアスなイメージのあるシカゴのプロデューサー、ジャマル・モスによるプロジェクト、ハイエログリフィック・ビーイングの新作『The Acid Documents』が英ソウルジャズからリリースに。


もとはソウルジャズのロンドンのショップ=サウンズ・オヴ・ユニヴァースでCDRで限定販売されていたもののオフィシャル化。ジャケは2yangさんです!


ロウなテクスチャーがいかにもイマっぽく…一応ハウス風な出音ですが、この人ならではの所属不明な狭間感があふれております。


サン・ラーのマーシャル・アレンとコラボした『We Are Not The First』もほぼ同じタイミングでリリースですね。こちらはさらにマージナルなどこかへさまよい出てる感じ。


年明けにスモールタウン・スーパーサウンドからアルバムをリリース予定のプリンス・トーマス『FACT』のインタビューで「ハイエロ大好き」と言ってました。先日の3枚組ミックス『Goulash』でも彼の曲をピックアップしていましたし。 ← ここらへんについてはまたおって続報がございまして、それはまた別の機会に…。



 

2015-11-01

ANDRE BRATTEN: Gode




アンドレ・ブラッテン/ゴード

ANDRE BRATTEN: Gode
Smalltown Supersound / calentito (CLTCD-2053)


1 Intro
2 Cave
3 Quiet Earth
4 Philistine
5 Bivouac
6 Cascade of Events (feat. Susanne Sundfør)
7 Ins.
8 Gode
9 Space Between Left & Right
10 Iconography
11 Primordial Pit
12 Zero
13 Math Ilium Ion
14 Dcm (ボーナストラック)


ロイクソップ直系のメランコリック・サウンドを武器に急浮上したノルウェーの新鋭アンドレ・ブラッテンが、キム・ヨーソイやリンドストロームでおなじみの北欧エレクトロニカ老舗「スモールタウン・スーパーサウンド」からアルバムをリリース。シガー・ロスを思わせる極北ムードとブライアン・イーノのアンビエンス、クラウトロック的なシンセ・マナー、美メロ&電子音を巧みに掛け合わせて、トッド・テリエ以降のバレアリック・シーンとも歩調を合わせつつ、インディ/クラブの垣根を越えた北欧エレクトロニック・ポップのネクストレヴェルを提示。


◆ アンドレ・ブラッテン は、インディ/クラブ・シーンの垣根を越えたノルウェー・シーンの次世代タレントとして急速にプロップスを拡大させているオスロのマルチ・インストゥルメンタリスト、ソングライター。


◆ もともとプリンス・トーマスのバックアップを受けて彼のレーベル「フル・パップ」からデビュー、トッド・テリエ以降のバレアリック・シーンにおける新鋭として頭角を現したアーティストだったが、そのプロダクション、作曲やアレンジのセンスはデビュー当時からフロアをはるかに逸脱、ロイクソップやDFAのホーリー・ゴーストからもイチ早くリミックスのオファを受けるなどクロスオーバーな支持を集めていた。


◆ フル・パップからの『Be A Man You Ant』に続く2枚目のこのフル・アルバムは、シガー・ロスを思わせる極北ムードやブライアン・イーノの柔らかなアンビエンス、初期オピエイトにも通じる内省的なエレクトロニカ・フィーリング、クラウトロック的なシンセ・マナーとドローン、美メロ&電子音を掛け合わせたDIYエレクトロニック・ポップの新たなる傑作で、創造力豊かな彼の底知れぬ才能が余すところなく反映されている。


◆ アンドレはエレクトロニクスやフィールドレコーディングを交えつつ、ピアノ、シンセサイザー、ドラム、ギター、ベースなどほぼ全ての楽器を自身で演奏、2012年末からフル・パップ作と並行しながら制作に取り組み、2年半の歳月をかけて本作を完成させた。


◆ M⑥ではジャガ・ジャジストのラースによるプロデュース作やロイクソップ作品への客演でも話題を呼んだ同郷の歌姫スザンヌ・サンドフォーがゲスト参加。


◆ モーターサイコ諸作への参加やアルディッティ弦楽四重奏団とのコラボでも知られる、アウトロックとエレクトロニカ、現代音楽、クラシックを股にかけ活動するリューネ・グラモフォンの奇才オーレ・ヘンリク・モーエがストリングスの演奏とアレンジを担当、立体的でスケール感のあるサウンドスケープを作り出している。


◆ 『Be A Man You Ant』とは大きく表情を変えたリスニング・モードの作品で、北欧ポップやエレクトロニカ好き全般にオススメ。


◆ 日本盤のみボーナストラック1曲追加収録。


◆ アートワークはキム・ヨーソイが担当。